学年別年間スケジュール

【幹部】
七大戦直後
・各部員の目指す役割を決める
例)
現状:穴→分け役を目指す
現状:分け役→完分けor準取りを目指す
現状:準取り→取り役を目指す

そのために自分たちの理想のオーダーを考える。
他大のオーダーも考えて理想のオーダーで試合のシミュレーションをしてみると勝てなかったり上手くいかないところが出てくるので、その差を埋めるためにオーダーを変えていく中で、理想のオーダーが決まる。
そして理想のオーダーでの優勝を実現するために求められる一人一人の役割が明確になる。

例)
ここで相手を止められないから、次に位置してる取り役を分けられて結局負けてしまう→その人の分けの強化

※分け役を完分けにするか準取りにするかの判断が重要で、それは他大との戦力差やオーダーを作る中で考えて決める。



・後輩と面談をして七大戦の感想や課題、モチベーションなどをヒアリングする。
同時に、優勝するための戦略や幹部が求める役割を伝えて同意形成する。
※分け役をやりたくないのに分け役にされて不満が出ないように、分けができるようになったら取り役になれるというキャリアプランを伝えてあげたり、分け役の重要性を納得するまで話したりする。

夏の遠征後
面談
他大と戦ってみた感想や課題、モチベーションのヒアリング
幹部が課題に思ってることと対策を伝える

10月の北大定期戦後、3月の錬成大会後
面談
試合の感想や課題、モチベーションのヒアリング
幹部が課題に思ってることと対策を伝える

1年を通じて継続すること
・後輩のメンタルやモチベーション管理

・練習の雰囲気の管理
声が出ていて活気のある練習か
誰が元気で誰が元気ないのか、その原因
部員の疲労度

・部の雰囲気の管理(練習以外の雰囲気)
練習後の和やかさ
練習後の飯の参加率
部室で遊んだりコミュニケーションを取れてるかどうか
練習以外での悩みがないかどうか

・部員の能力値の把握
各役割に求められる水準までの達成度を常に確認する

・他大研究
他大部員の使う技や得意な流れ、苦手な流れ、分けやすい形、ケガの有無の研究
他大の過去のオーダーを元に対東北大で出してくるオーダーを考え抜く

・メニュー決め
基本的に七帝終わりから10月の北大戦までは基本の分け(立ち・正対・亀)と基本運動を徹底的に叩き込むメニュー。

それ以降は北大戦や錬成大会の結果や他大との練習の内容を分析して、最適なメニューを決める。
例)
合同練習が終わった後に部員にアンケートを取り、誰のどんな技で取られたかを集計すれば東北大の苦手とする選手や技が分かる。
あとはその技に対しての対処法をメニューに組み込むことで、東北大にとって最大公約数的な効率の良い練習ができる
取りきれなかった場合も同様にして、練習メニューを組む

 

 


【幹部の1つ下】
七帝終了後
自分たちが幹部になった時の理想オーダーを考え、各自の役割を認識する。
理想を実現するために、今年一年の役割を決める。

1年を通じて行うこと
自分の役割の遂行確率を高めるために、自分で課題を設定し研究して強くなる

 

 


【幹部の2つ下】
七帝終了後
どういう選手になるかを決める
立ちor正対、亀取りで何をするか

10月の北大戦後あたり
幹部になった時に誰が主将をするか役割を決める。

 

 


【幹部の3つ下】
入部から追い込み期間まで
立ち分けするための組手の練習
正対師と分けるための正体上のベースの練習
基本的な亀分けの練習

 

 


【共通のスケジュール】
・七帝前の追い込み練習(約2週間)
目的:メンタル作り
後輩にこれだけ練習したんだから負けるはずがないという自信をつけさせる

手段:後輩の限界を引き出す
そのために先輩の取り役は何があっても後輩を取りきり、1秒たりとも乱取り中に動きを止めて後輩を休ませる隙を与えてはいけない
ツライ練習の中気持ちを切らさないようにするために、お互いに声を出して気持ちを出した練習を作る
後輩は絶対に分けるという覚悟が次第に出来上がっていき、分ける覚悟をしてきた後輩を取るためには、取り役はそれ以上の覚悟で挑む必要があり、お互いの魂がぶつかり合う練習をする必要がある。

練習の時点で優勝は決まっている。
試合前までの練習で本当に全てやりきっていれば、優勝できる自信しかない。
やりきれてなくて不安が残っていれば、試合前はプレッシャーに押しつぶされそうな重苦しい雰囲気になる。
一方、本気でやり切ることができれば追い込み練習が終わった後の調整期間は、笑顔が溢れる和やかな、一見たるんだような雰囲気になる。
しかしこれはやるだけやってもうやることはないと言えるレベルになってるから、プレッシャーを何も感じない状態になれていた状態だと思う。
このメンタルの状態を作るために、追い込み練習を徹底的に行う。

※追い込みの練習が七帝で優勝させるためには非常に重要!
おそらくこの期間の練習だけで七帝優勝の約50%が決まる
残りの50%は前回の七帝終わりから追い込み期間前まで
もちろん追い込み練習が始まる前までに後輩と本気で向き合って信頼関係を築いていなければ、これだけキツイ追い込み練習についてこないので、追い込み期間までにどれだけ濃い時間を過ごしてきたかも重要。

・調整練習
追い込みの内容や疲労度によって期間やメニューの強度を調整する。

 

 

 

※七大戦後、幹部(3年生)が1年生の面倒を徹底的に診て、分ける技術を教え込む。なので、東北大では、2学年離れた学年との絆が強くなる。ということが非常に印象的だった。

2年生を鍛えるのは、主にOBに頼む、というのも、とても良いシステムだと思う。

また、年に3回、幹部と各部員が個々に「面談」を行うというのも驚いた。